平成20年11月27日
五 小 の 風 景 No.8
五日市小学校長
国政 直文
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命を大切に
11月22日は,木下あいりさんの命日でした。今年は11月22日が土曜日でしたので,前日の11月21日に「子ども安全の日」に関わる集会を行いました。当日は,木下あいりさんの冥福を祈ると共に学校安全ウォーキングボランティアの方々にお越しいただき,感謝の気持ちを伝えました。また,私からは子ども達一人一人に命を大切にしてほしいという願いから,故 猿渡 瞳さんという一人の少女の作文「命を見つめて」を紹介しました。
彼女は、小学校6年生の時に骨肉腫が見つかり既に肺にも転移し,「余命半年」と宣言されました。彼女の母親は悩みに悩んだ末,身を切るような思いで11歳の瞳さんに告知されたそうです。その時,瞳さんは大粒の涙を流しながら,こう言ったそうです。
『教えてくれてありがとう。でももっと早く言ってほしかった。その分早く病気と闘うことができたもの』と悔しがり,『でも,大好きなお母さんがガンじゃなくて,私がガンで本当によかった』と。
その後1年9ヶ月,彼女はガンと正面から闘い続けました。その闘病生活の中で,『生き続けることがこれほど困難で,これほど偉大なもの』『たとえ,どんなに困難な壁にぶつかって悩んだり,苦しんだりしたとしても命さえあれば必ず前に進んでいける』と痛感した彼女は,『たくさんの仲間が命をかけて教えてくれた大切なメッセージを,世界中の人々に伝えていくことが私の使命』と思うようになり,この日紹介した作文を書いたということです。
わずか13歳で生涯を閉じた瞳さんのメッセージが,子ども達にどれだけ伝わったかな(特に低学年に)と思いましたが,その後の感想を読むとそんな心配をする必要はなかったということを実感しました。子ども達は本当に真剣に考えることができていました。たくさん紹介したいのですが,紙面の都合上,数点を紹介します。
命がとても大切なんだなと思った。これからは困っている人がいれば助け てあげて,苦しい人がいれば看病して,けんかをしている人がいればそのけ んかを止めて,戦争をしている人がいればその戦争を止めて,そういう心の やさしい人になり,やさしい心で自分の人生を歩んでいきたいです。(3年)
だれかのために使命を持って生きていくことはすてきだと思います。私も だれかのために使命を持って生きる大人になりたいです。(4年)
「幸せだなと思うことは何ですか?」と今質問されたら,胸をはってこう 言えると思います。「私が今一番幸せだと感じるのは生きていること。今こ こにいるということです。」ここで今この手紙を書いているのは生きている から。生きているということに今とても感謝しています。(5年)
命は自分一人のものではなく,みんなで支えあうものです。だから一緒に 支えてきてくれたお父さんやお母さんなどにすごく感謝しています。私を支 えてくれる人を大切にしようと思います。(6年)
今を生きている,健康でいられるということが,とても大 切だということ。それが幸せだということ。なんだか深く考 えてみようと思いました。(6年)
今当たり前のように友だちと遊び,家族と暮らしていくの が幸福だということです。この人の思いは五日市小学校の人 に受け継がれていくと思います。命の重さについてもう一度 考えてみようと思いました。 (6年)
「命の尊さ」を学びました。今この間にも病気と闘っている 人がいるということを忘れず,「元気で生きている」という ことに感謝するべきだと思いました。(6年)