平成21年1月19日
   五  小  の  風  景   No.10

                                                    五日市小学校長  国政 直文
 
 

「時を守り,場を清め,礼を正す」
 
 おそくなりましたが,新年あけましておめでとうございます。今年は丑年。歩みはゆっくりでも確実に成果を挙げられるよう教職員一同努力していきたいと思っています。
 さて,表題の「時を守り,場を清め,礼を正す」という言葉は,森 信三(哲学者・教育者)の言葉です。偶然この言葉に出会い,いい言葉だなと思い,この言葉を「生活の基本」と考え,少し言葉は変えましたが,今年度の学校経営計画の中に取り入れました。子ども達には,分かりやすく「掃除,あいさつ,時間厳守」と言っています。
 私自身もこの言葉を大切に実行しようと心がけています。この言葉の意味するところは分かりやすくもあり,意味深いところもあるように思います。
 「時を守る」とは,時間を守ること(人を待たせない,相手を尊重すること),「場を清め」とは,掃除をしてその場の気をきれいにすること(人にすがすがしさと潤いを与える,気づく心を持つ),「礼を正す」とは,気持ちのいい挨拶,返事をすること(相手を思いやる)。
「時を守り,場を清め,礼を正す」という言葉を意識するために,玄関事務室前の掲示板に掲示しました。ただし,「生活の基本」という文字と周りの飾りは,本校なかよし学級の森下指導員が作成したものです。また,すぐとなりの掲示板も森下指導員が季節に合わせて毎回作成しています。ご来校の際には,ぜひご覧ください。
 
校内の各学年の掲示などもいろいろと工夫が凝らされていますが,こうした掲示が本校の子ども達,教職員そして来校される方々の心を潤わせるという意味で,このことも「場を清め」ということにつながっています。
 こういうことをきっちりと行動することで,お互いの人間関係に潤いが生まれ,多くの人が気持ちよく生活していくことができるのだと考えます。
「掃除,あいさつ,時間厳守」ということは,将来子ども達が社会生活をしていく中で,互いの人間関係や信頼関係を築いていく上でとても大切なことです。ですから,子ども達には,人生の基礎となるこの小学校時代に,これらのことができるようになってほしい,そして,意識せずとも自然とできるまでに身につけてほしいと願っています。身につくという所までいくと,それは一つの文化となります。私は,本校の子ども達一人一人に,学校では勿論,学校外でもこうしたことを身につけ行動してほしいと願っています。 
 先週の金曜日の朝。登校指導から帰ってくると,たくさんのペットボトルをビニル袋に入れて職員室の方にやってくる女の子3人と出会いました。事情を聞いてみると,グランドにペットボトルや燃えるゴミがごちゃ混ぜになって捨ててあったのを拾ったということでした。燃えるゴミについては,クラスで仕分けし,残ったペットボトルを捨てに行くところだったのです。その女の子達は4年生でした。こうした行動を見るにつけ,本校の子ども達の中に少しずつではあるけれど,生活の基本が身についてきていることを実感します。
 「掃除,あいさつ,時間厳守」を土台として,「時を守り,場を清め,礼を正す」ということを本校の文化にまで高めたいと考えています。
 本年も本校教育へのご理解ご協力をよろしくお願いいたします。